2021/7/11 日記

今日は最近行った『イサム・ノグチ 発見の道』の展示の記録です。

上野の都美術館で8月末まで開催中。

isamunoguchi.exhibit.jp

チケットは入場時間が区切られていて予約制です。事前に予約した上で行かれてください。

休日に行ったのですが、意外に空いていてじっくり見られました(展示室が広い・廻覧順が緩い展示だったからかもしれない)写真もフラッシュなしで一部区間のみOKです。(写真を撮る際、興奮して展示物に身を乗り出しすぎないように…)

会場の説明は置いておいて、展示の感想を端的に言うと「Healing」。イサム・ノグチの彫刻は、歴史をはらんだ大気が少しづつ沈殿し、今私たちの見える形をとったといったような趣がある。何かを「見せられる」ということは常に暴力性が伴ってしまうことだけど、彼の作品は自分でとらえようとしない限り、土や水のように「自然」のものとして存在している。展示室という「見せる」空間で、この彫刻の作為性と自然の無作為の均整の妙を感じることができるのは、キュレーションの賜物なのだろうか。(前述した話とは関係ないがライティングがよかった)

また、宇宙や細胞といったモチーフが頻繁に使われるのも好きだった。前半から後半に移るによって作品は抽象的になっていく。どの作品も好きだったが、後半の無題シリーズ(花崗岩玄武岩を使っている)は特に、自然の中で見たいと思わせてくれる作品だった。同展示場で流れている香川県牟呂にあるアトリエの様子の映像を見ることができる。アトリエの庭にある作品群は、雨に打たれたり、じっとそこにあるがそれぞれ生きているように見える。実際良質な石材が取れる牟呂の地で、石がそこにあるのは自然なことなのだろう。作品を手元に残したがったという気持ちもすごくわかる気がした。

彼は様々なプレイスペース・遊具の構想やデザインも手掛けている。公園全体が作品として構想された「モエレ沼公園」にはいってみたいなと改めて感じた。

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面で磨き加工が違う作品 好き



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プレイスカルプチュア ひときわ目立つ

もう一回会期中に癒されにいってもいいな~と思うが、やや料金が高いのがネック(運送費を考えるとわからなくもないが)。図録も購入したが、全作品の写真が載っていないのはマイナスですね…。でもアトリエの内部の写真で満足できるので、総合的には買ってよかったです。石好き・体力がないけど展示にはいきたいという方には問答無用でお勧め、な展示でした。