2021/6/9 日記

定時の5分くらい前から自席の後ろで始まった会話に聞き耳を立てた。あまり面白そうな話とは思えないものの、大きな声で話されると聞いてしまう。どうやら男性は体調が悪いらしい。「最近咳がずっと治らなくてね」「やだ、病院行ったの?」相槌を打つ女性が言う。男性が言う。「いや、これ四九型の症状だからさ」「なあに しくかた って、そんなのなったことないわよ」「いや、おれの親戚も、親父もみんなこれに苦しんでてて、どうしょうもないんだよ」男性は独り言のように続けている。女性は四九肩を知らないらしい。四九肩は、四十肩の症状も含めて様々な要素が複合された一過性の病気である。理由はまだはっきりと解明されていない。その人の場合はオフィス内での力仕事が発生した際に、症状が顕著になってその場から離席した状況を私は知っている。「病院行きなさいよ、」女性が言う。「ヤブ医者ばっかなんだよ、四九肩の専門医は」男性はぼやいた。ここで定時のチャイムがなった。